住宅展示場を実際に訪れた後、せっかく集めてきた知識や情報をどう扱うのか。行ったことに満足してそのまま放っておくのか、きちんと整理しておくのかで、その後の住まい計画に大きな差が出てくることでしょう。
見学後にしっかり知識や情報を整理するためには、見学前や実際に見学中の際の準備や行動も重要になってきます。すべてはつながっているのです。せっかく時間と体力をかけて得たものをどう活かすかは、行動次第なのです。
今回は、住宅展示場に行った後にすべき行動、そしてその行動につながっていく準備など、効率的に動ける方法について詳しく見ていきましょう。
住宅展示場、訪問前にしておくべき準備とは
見学するメーカーを絞る
住宅展示場には、「なんとなく」行ってはいけません。しっかりと目的を持って、場の雰囲気に流されないように準備してから行かなければならないのです。
まだ検討段階であったとしても、「雰囲気を味わいに行く」「場慣れするために行く」も立派な目的です。まだ明確に検討しているわけではないときも、こういった目的を持っていくのならいいでしょう。要は「なんとなく流されて、成り行きで契約までしてしまった」というような、なし崩し的な行動がまずいということなのです。
もし具体的に考え始めている段階なのであれば、さらにきちんとした目的意識と前知識を持つことが必要です。
そもそも、住宅展示場を「カタログをもらいに行くところ」と思ったら、それはもう間違いです。カタログは先にオンラインでも手に入ります。展示場は、「カタログでわからないところ、感じられないところを実際に見たり触れたりしに行くところ」なのです。
だからまず、展示場で気になるハウスメーカーのカタログを先に手に入れておき、メーカーごとの特徴をある程度予習しましょう。それから、実際に見学するメーカーを2~3社に絞っておきます。
展示場で片っ端からモデルハウスをまわって歩くというのも、到底無理なことなので、初めての際は張り切り過ぎないようにしなければなりません。
まずはまわるハウスメーカーを絞り、そこについての情報収集をしておく。これで「雰囲気に流されてよくわからないうちに営業マンの話に乗せられてしまった」という事態を防げるはずです。
希望や意見をまとめておく
メーカーや家づくりについて勉強したら、自分たちの家についての希望や意見を、家族全員分まとめてリスト化するということもやっておきましょう。併せて、疑問点があればこれもメモに起こしておき、営業マンにすぐ質問できる体勢にしておきます。
これが展示場を訪れる前に最低限やっておくべきことです。
住宅展示場訪問、当日の注意点
効率よくまわる
展示場でまわるハウスメーカーは、2~3社に絞っておこうというお話でしたが、それにはいくつか理由があります。まず、物理的にそれ以上は不可能だからです。
ざっと見学するだけなら1社30分程度で済みますが、じっくり話を聞いて具体的なプランニングまでいくと、2~3時間はかかってしまうのです。それが2~3社あったら、半日~丸一日はかかってしまいますよね。
また、何社も詰め込んでまわると当然ながら体も頭も疲れてしまいます。すると話の内容が頭に残らないうえ、判断力も低下して「もうこれでいいかな」という「妥協」につながってしまいます。一生に一度の大事な買い物かもしれないのに、これはいけませんね。
だからこそ数は絞ることが大事なのです。そして、できるだけ効率よくまわること。
そのためにも、展示場についたらまずはインフォメーションセンター(総合案内窓口)に向かいましょう。そこで全体案内図をもらい、お目当てのメーカーのモデルハウスはどこにあるかを確認して、どうまわったらいいかをざっと考えます。
モデルハウスの見学中は、事前にメーカーを絞って情報収集しておいたことを活かし、知りたいことを的確に確認してくるようにします。メモ帳だけではなく、写真や動画も活用して、記録をとりましょう。
必要以上に急ぐ必要はもちろん全くありませんが、効率よく、自分の得たいものをきちんと優先して、自分主体で展示場をまわるのです。
もし時間に余裕がなくなったのであれば、後日にまわせばいいのです。無理に詰め込むよりは、その方が絶対に良いはずですよ。
住宅展示場に行った後は、何をする?
見学前にきちんと事前準備をして前知識を得て、見学中はそれを元に計画的な見学をすることで、見学後の情報整理もすんなりいくはずです。すべてはつながっているのです。
見学後はすぐに情報整理をする
人間は忘れる生き物です。たとえメモを取っていたとしても、やはり見たこと・聞いたことは時間が経てば経つだけ印象や感動は薄れていきます。
まずはメモやカタログ・写真・動画を元に、見たこと・聞いたこと・情報・知識・印象、そして感じたことや疑問点までもすべて書き出して、整理しましょう。良いと感じた設備や間取り、営業マンの対応などもあるといいですね。各メーカーで情報を幅広くまとめておくと、あとからもとても見やすくなります。
家族と共有・会議する
住宅展示場に行って見てきた・聞いてきたことの感想や印象は、人によって大きく変わるでしょう。家族の中でさえそれはあるはずです。だからまずは家族ひとりひとりの感想と意見を聞く機会も持ちましょう。自分では気づかなかった意外なポイントを発見させられることもあるでしょう。
家族全員が納得できる家づくりにするためにも、欠かせない過程です。
今後の家づくり行動計画に活かす
情報や知識をまとめ、家族と意見交換をしたら、それをもとに次の見学プランを練ってみましょう。展示場で気になったハウスメーカーの、次は「見学会」に参加してみようとか、また別の住宅展示場に行ってみよう、とか。次にどうするべきか、何をしたいかが見えてくるでしょう。
また、大事な要素である「予算」についても、もう一歩踏み込んだ見通しを立ててみましょう。
住宅展示場に行く前に希望していた広さ・間取り・設備の家を建てることは、予算内で可能なのか。展示場で営業マンのアドバイスもあったはずなので、もう一度話し合ってみましょう。
住宅ローンについても、具体的に考え始めます。頭金はどれだけ用意できて、住宅ローンはいくらで組むのか。毎月どれくらいなら返済していけるのか。
予算を明確にし、住宅ローンの見通しを立てたら、またハウスメーカーの絞り込みも一歩進むはずです。
まとめ
・住宅展示場を訪れる前には、必ず行く目的をはっきりさせる。モデルハウスをまわる予定であればハウスメーカーを2~3社に絞り、各社の特徴について前知識や情報を仕入れておく。家に対する家族全員の希望や意見もまとめておこう
・住宅展示場をまわる際には、できるだけ効率的に。疲れてしまうとまともな判断ができなくなってしまう。余裕のない見学になりそうだと感じたら、後日に改めよう
・展示場から帰ってきたら、記憶が薄れないうちに情報や知識を整理してまとめておく。家族みんなで意見を出しあい、次の行動に移す指針にする
なんとなく行くのでは、帰ってきてからもなんとなく満足して終わってしまうのが、住宅展示場見学です。せっかくの機会をフルに活かすためにも、前準備と帰ってきてからの反省やまとめは、しっかり行いたいですね。